60回を迎えるばぁくうの『読演会』

2015.05.26

演戯集団ばぁくう(福岡)が、佐藤順一 読演会60『入れ札』(作:菊池寛) を6月10日(水)と20日(土)、福岡市中央区六本松のアトリエ戯座で上演する。

演戯集団ばぁくう 佐藤順一 読演会60『入れ札』

1988年6月、福岡を拠点とした表現者の集団として結成された演戯集団ばぁくう。「演戯集団」というネーミングには、演じ戯れる集団としてメンバーひとりひとりが、芝居人であり、自由な心と身体で、幅広く活動するという想いが込められている。現在、メンバーは舞台を中心に、CMやドラマへの出演、番組やCMなどのナレーション、イベントではピエロなど多種多様な活動を行っている。

そんな演戯集団ばぁくうが、2010年から毎月10日と20日に定期上演している佐藤順一 読演会。60回という区切りの回に、ばぁくうの主宰者であり読演者でもある佐藤順一に、ばぁくうのこと、そして読演会のことについて訊いてみた。

―読演会をはじめたきっかけはなんだったんですか?
佐藤 十年ほど、演劇表現者の育成と、芝居の面白さを広めるために、「演技講座」というのを主宰していたのですが、一年間の仕上げとして発表会をしていました。演劇の発表もしましたが、稽古期間や稽古過程の問題で、ほとんどの年が台詞を重視した「朗読」の発表会が主でした。その延長上に、従来の朗読より、より立体的な音声表現を考えたとき、この「読演」が始まりました。

―上演を毎月10日と20日に設定した理由は?
佐藤 45回目までは、第二・第四木曜日でやっていたのですが、曜日が決まっているとなかなか不都合がありました。そこで、2010年に始めたことから「2010」の「10」と「20」をとって、10日と20日にしました。

―読演会での本や作品の選定はどのようにしているのですか?
佐藤 条件としては、音読して50分前後というほどよい長さで完結する作品であること。それより短いものであれば、2~3作をやるときもあります。そして、読んでみて面白いと思える作品であること。なおかつ、音声表現に適しているであろうと思われる作品。読んで面白いだけでなく、聴いて面白いかどうか。「読演」という表現に適していると思われる作品。つまり、台詞の掛け合いがほどよくあるもの。……などいろいろありますが、なにしろ毎月ですので、その季節・季候・時節によって「今やりたいものをやる」というのが一番大きいです。

―今回で60回にもおよぶ読演会ですが、なにか印象に残っているエピソードはありますか?
佐藤 毎回毎回が完結しておりますので、一つひとつの作品が思い入れ深いのですが、とにかく作品を選ぶのがなかなか大変で……。選ぶためにはまず読まなければ始まらないので、とにかく良さそうな作家や作品を読んでみる。その中で、「読演」するのに適した作品かどうかを考えて、決定する。そして、稽古して、上演する。このくり返しですから、一つひとつに覚悟と思いはこもっております。強いてどの回かを上げるとなれば、合計7人で、2か月をかけて上演した『怪談』小泉八雲の回でしょうか。演者が増えた分、お客様の入りもよく、賑わったのが楽しかったかな……。

―今回のチラシには「読演塾」の開催が告知されていますが、「読演塾」とはどのようなものでしょうか?
佐藤 「読演」とは、役者が本をより立体的に表現するものです。地の部分に書かれている情景や季節感やそのシーンが作り出す体感や印象などを、演者が感じなければ、それを表現できません。そのための読解力をつけます。それを声だけで伝えるわけですから、聞かせるための声作りも重要です。発声・発音。その素敵な声で、事物を表現するために、日本語には「イントネーション」という便利な武器があります。その理解と実践をします。仕上げに、選んだ作品を、客前で上演して、評価を受けます。最終的には、言葉を使え、作品を理解でき、演じる役を体得できる、役者を育てることを目指します。

月に2回とはいえ、公演を毎月定期的に60回も継続しているというのは、全国的にも珍しい。2010年から始めて丸5年。公演を継続してきたばぁくうにしかわからない苦労があるだろう。そして、苦労以上の喜びがあるからこそ、ここまで読演会を継続することができたに違いない。

チケットは現在予約受付中。前売当日共に1,500円。予約は092-736-1220(ナカノ)、nrd47497@nifty.com(ばぁくう)まで。


演戯集団ばぁくう 佐藤順一 読演会60『入れ札』(人生を変えた時代小説傑作選(文春文庫)から)

日時:2015年6月10日(水)15:00/19:00
        20日(土)15:00/19:00
会場:アトリエ戯座(福岡市中央区六本松4-11-25-5Fばぁくう内)
料金:前売当日共に1,500円

【関連サイト】
演戯集団ばぁくう(Facebookページ)
演戯集団ばぁくう公式サイト

※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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