現代にオペラで蘇る説経節

2015.11.18

オペラシアターこんにゃく座(神奈川)がオペラ『おぐりとてるて ─説経節「小栗判官照手姫」より─』(台本・演出:立山ひろみ、作曲・音楽監督:萩京子)を12月27日(日)、熊本市中央区大江の熊本県立劇場演劇ホールで上演する。

オペラシアターこんにゃく座 オペラ『おぐりとてるて ─説経節「小栗判官照手姫」より─』

大蛇の化身に恋をして都を追われたおぐりは、数奇な運命の糸にあやつられ、常陸の国でてるてと出会い結ばれる。しかし、それを知ったてるての父に殺され、地獄へと落ちる。一方てるても父の手によって殺されかけるが、先々で出会うひとに助けられ、遊女屋へと流れ着く。おぐりの旅は、京都、常陸、相模、黄泉の国へ。閻魔大王のはからいで、しゃべることも見ることも聞くこともできない餓鬼阿弥となり、ふたたびこの世へと蘇った後も、人々の手により土車へ乗せられて熊野へと引かれていく。おぐりとてるての恋のゆくえは、いかに?

オペラシアターこんにゃく座 オペラ『おぐりとてるて ─説経節「小栗判官照手姫」より─』公演写真

オペラ『おぐりとてるて ─説経節「小栗判官照手姫」より─』は2014年9月、俳優座劇場(東京)にて初演。語り物芸能の原点とも言われる説経節のなかでもスケールが大きく、奇想天外な物語とユニークな登場人物が魅力の「小栗判官照手姫」を題材としている。出口のない苦しみを味わっていた中世の人々が心待ちにしたという説経節は、閉塞感に苛まれる現代にどのように映るのか。

本公演の台本・演出を務める宮崎出身の立山ひろみと、本公演に出演する熊本出身の歌役者、島田大翼からコメントが届いた。

立山ひろみ

はじめまして。今年の10月1日に、宮崎県立芸術劇場の演劇ディレクターに就任いたしました、立山ひろみです。宮崎県の宮崎市出身です。

今度、熊本県立劇場にて、オペラシアターこんにゃく座公演、オペラ『おぐりとてるて』─説経節「小栗判官照手姫」より─が上演されます。初めてオペラ台本を書かせて頂き、演出致しました。九州の方々に観て頂けたら本当に嬉しいです。私の演出作品としては、地元宮崎を除くと、九州初上陸です。感動です。そしてタイトルロールのおぐりを演じる島田さんが、熊本ご出身です。 彼の活躍にもご期待下さい。

『おぐりとてるて』は、土地をめぐっていく物語です。途中、冥土なんかにも行きますし、京都では、大蛇にあったりします。千手観音が登場したり、けっこうハチャメチャ、奇想天外です。そんな中世日本で、語り物として、全国を回っていたお話が、今年から、ツアーに出かけます。物語る説経師と、それを聴く、貧しく、日々を生きるのに懸命な民衆の「名もない民衆の物語」を、どうか皆さまに見届けて頂けたらと思います。

熊本公演には、立山も劇場におりますので、気軽にお声をかけて頂けたら嬉しいです。劇場でお待ちしております。

立山ひろみ

島田大翼

歌役者の島田大翼と申します。オペラシアターこんにゃく座に劇団員として入座して、今年で11年目になります。出身は熊本県、阿蘇山の外輪山の、その北にある小国町で生まれ育ちました。小学校の頃からとにかく音楽を生業にすることを目指し、作曲や楽器を手当たり次第に勉強してきました。

熊本高校に入学して二日目に、新入生歓迎会のような行事でグリークラブ(男声合唱)に出会いました。そのくらいの年齢の男子といえば、音楽の授業の合唱なんかでも真面目に歌うのが恥ずかしかったりするんでしょうが、このグリークラブの人たちは違いました。男しかいないのに、ものすごくはつらつと、楽しそうに歌うんです。私は吹奏楽部に入ろうと思っていたんですが、そのままグリークラブに入ってしまいました(のちに吹奏楽部も兼部するんですけどね)。
高校を卒業してすぐに上京、東京学芸大学に進学し、そこでは音楽学(音楽史や音楽理論)を学びました。ある時、授業のなかでオペラシアターこんにゃく座の存在を知り、その面白さにずるずると引っ張られるうち、卒業と同時にそのまま入座してしまいました。

オペラというと、独特な発声の外国語で歌われる歌…というイメージを持たれている方も多いと思いますが、基本的には「台詞が歌になった演劇」です。こんにゃく座のオペラは日本語ですから、もちろん初めて見ても、普通の台詞劇を観るのと同じようにストーリーがわかります。

これまで、2010年に熊本県山鹿市の八千代座にて、チャンバラ活劇オペラ『まげもん-MAGAIMON』(鄭義信台本・演出、萩京子作曲)、また2011年には生まれ故郷の小国町でオペラ『森は生きている』(林光台本・作曲)など、故郷である熊本でも何度かオペラを上演してまいりました。今回は熊本県立劇場、高校の頃に合唱コンクールや吹奏楽コンクールなどで何度も訪れたこのホールで、オペラ『おぐりとてるて』─説経節「小栗判官照手姫」より─を上演することとなりました。

この機会に熊本県内、はたまた九州各地にお住いの皆様方にも、こんにゃく座のオペラを、そして日本語オペラの面白さを存分に体感していただけたら、と願う所存でございます。このオペラ、楽器編成はピアノとサクソフォンとパーカッションという、ほとんど西洋の楽器の組み合わせなのですが、和音やリズムの独特な作りから、ふしぎと和物にぴったりの音楽に聞こえてきます。また様々な登場人物、そして大蛇や人食い馬といった獣たちの姿など、彩り豊かな魅力にあふれた作品です。皆様ぜひこの機会に、熊本県立劇場まで足をお運びください。座員一同、心よりお待ち申しております。

島田大翼

出演は、大石哲史、岡原真弓、佐藤敏之、富山直人、髙野うるお、彦坂仁美、太田まり、島田大翼、北野雄一郎、川中裕子。また、演奏はサクソフォン:林田和之、打楽器:高良久美子、ピアノ:服部真理子。

チケットはおとな4,000円(当日4,500円)、こども(高校生まで)3,000円(当日3,500円)。チケットの取り扱いはオペラシアターこんにゃく座、熊本「こんにゃく座」を楽しむ会096-357-2027、チケットぴあ。お問い合わせはオペラシアターこんにゃく座044-930-1720まで。


オペラシアターこんにゃく座 オペラ『おぐりとてるて ─説経節「小栗判官照手姫」より─』

台本・演出:立山ひろみ
作曲・音楽監督:萩京子
日時:2015年12月27日(日)15:00
会場:熊本県立劇場 演劇ホール(熊本市中央区大江2-7-1)
料金:おとな4,000円(当日4,500円)
   こども(高校生まで)3,000円(当日3,500円)

【関連サイト】
オペラシアターこんにゃく座

オペラシアターこんにゃく座 オペラ『おぐりとてるて ─説経節「小栗判官照手姫」より─』

※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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