HallBrothersが『あの人、賃貸だから』3年振りの再演

2018.03.29

劇団HallBrothers(福岡)が『あの人、賃貸だから』(作・演出:幸田真洋)を4月13日(金)~15日(日)、福岡市博多区上川端町リノベーションミュージアム冷泉荘 2コ1多目的スペースで上演する。

劇団HallBrothers『あの人、賃貸だから』

とある新興住宅地の町内会。
夏祭り実行委員会に集まった人々の間ではもっぱら“あの話”でもちきりだった。
反対運動の甲斐もなく、橋の向こうにできた賃貸アパート。
「夜中に大音量の車がウチの前を駆け抜けていくんです。」「しかもすごいスピードよね。」
「子どもたちの騒ぐ声が夜中に響いて……」「ゴミ出し日だって守らないし……」
委員たちの悪口、陰口、告げ口はとどまることを知らない。
そんな時、ひとりの委員がつぶやいた。
「やっぱり、賃貸だから……」
賃貸アパートにしか住めないような低所得者は常識がない。
賃貸アパートにしか住めないような低所得者は協調性がない。
賃貸アパートにしか住めないような低所得者は横暴だ。
一つのつぶやきが委員たちの心の奥に潜んでいた偏見に形を与えていく。
と、そこへ“あのアパート”へ住む委員がやってきて……

劇団HallBrothers『となりの田中さん』

2月にキビるフェス2018で『となりの田中さん』を上演したばかりの劇団HallBrothersが、格差をモチーフとして描いた作品、『あの人、賃貸だから』を上演する。作・演出の幸田真洋に作品のことなどを聞いた。

ー本作はどのような作品なのか教えてください。

3年前の初演当時、「住んでいる場所格差」があるという記事を読みました。持ち家派の方が賃貸派よりも勝ち組らしくて、何にでも優劣をつけたがるその心性が面白いなと思い芝居にしました。
3年経って、相変わらずマウンティングなんて言葉が流通しているし、優劣をつけたがる空気というのは変わっていない、いや、むしろますます強くなっているんじゃないかと感じて、再演することにしました。あと、個人的にはあまり上手く書けなかったな、と心残りがあった作品で。3年経って読み返してみると「ここをこうすればもっと自然になる」と明確に修正点が見えてきたんですね。なので満足いくものを作ってやろうと考えました。

ー具体的にはどのような修正を?

初演はやや強引というか、ストーリー展開に登場人物たちが支配されている感じでした。一言で言うとご都合主義です。今回はそこをどれだけ自然に、リアリティを持って書けるかということに注力していて、大きな流れは変わっていませんが、印象は随分違うのではないかなと思います。脚本を書きたい人なんかは初演と今回の本とを比べると「こういうところを変えれば自然に見えるんだな」なんてことを感じていただけるかもしれません。初演の本も今回のものも公演会場で販売するので、観劇ついでに買っていくのもいいかもしれませんね!(笑)

ー会場が冷泉荘(※1)という個性的な空間ですね。

今回は、前回の『となりの田中さん』が装置もデカいし複雑な話でもあったので、シンプルな会話劇をきゅっとした空間でやりたいという思いがありました。派手な動きはないけれど役者の息づかいまで感じられるような空間がいいなと思っていて。
冷泉荘は劇団として使うのは初めてですが、個人的には2016年12月に月光亭『梨の礫の梨』(※2)の演出で使ったことがあって。いい場所だなと思っていたので、今回使うことにしました。お客さんとの距離がホントに近いのでドキドキしますが、そんな緊張感も含めて楽しみです。

※1)冷泉荘
福岡市最大の商店街、上川端商店街近くにある築約60年の建物。耐震補強、リノベーションを施し、築士事務所、韓国語教室、バー、ヨガ教室、様々イベントが開催できるギャラリーなどが入居している。(※2)月光亭『梨の礫の梨』
月光亭落語会(福岡)2016年に冷泉荘で上演したシアターシリーズNO.1『梨の礫の梨』。脚本を横山拓也(iaku)、演出を幸田真洋が担当した。

ー最後に、mola!をチェックしている方々へメッセージをお願いします。

小さなことでいちいち格付けし合うのは本当に愚かなことだと思いますが、ついついやってしまうものだし、自分では気付かないことも多い。僕たちは「こんな人いるいる」「こんなことあるある」という日常の中での「あるある演劇」を目指していて、皆さんの「あるある」も作品の中に見えるんじゃないかなと思っています。
「こんなあるあるって客観的に見ると愚かでくだらないものなんだな」と笑って、でも、ちょっとだけ自分を振り返ってみる時間をお届したいと思っていますので、ぜひ、劇場へ足をお運びください。お待ちしています!

出演は、萩原あや、永倉亜沙美、堀内葵、唐島経祐、をとん。、幸田真洋。

チケットは、前売1,800円(当日2,000円)。ローソンチケット(Lコード:83934)、劇団サイトでの取り扱い。

お問い合わせはseisaku@h-bros.net、090-8410-4267(ハギワラ)まで。


劇団HallBrothers『あの人、賃貸だから』

作・演出:幸田真洋
日時:2018年4月13日(金)19:30
        14日(土)13:00/16:00/19:00
        15日(日)13:00/16:00
会場:リノベーションミュージアム冷泉荘 2コ1多目的スペース(福岡市博多区上川端町9-35)
料金:前売1,800円(当日2,000円)

【関連サイト】
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※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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