ばぁくうが新たな公演企画をスタート

2018.08.18

演戯集団ばぁくう(福岡)がアトリエ戯座レパートリー劇場No.1『街道筋』(作:アントン・チェーホフ、演出:佐藤順一)を8月25日(土)~26日、福岡市中央区六本松のアトリエ戯座で上演する。

演戯集団ばぁくう アトリエ戯座レパートリー劇場No.1『街道筋』

時は、19世紀後半。ロシアの街道筋の一軒の木賃宿。
荒天の大地には、まもなく訪れる極寒の冬が迫っていた。
このチホンの宿屋には、今夜も街道を通る人々、恵まれない社会の底辺で生きる人々が、過酷な運命にあらがうように、集まっていた。

毎月10日と20日に定期開催される「読演(※1)」が100回目前となっている演戯集団ばぁくうが、新たなコンセプトの企画を始める。第一回目となる演目は、チェーホフの『街道筋』。演戯集団ばぁくう代表の佐藤順一に今回の企画について聞いた。

※1)読演
演戯集団ばぁくうが2010年から毎月開催している、「読む」「演じる」上演会。2010年4月に第1回チェーホフの『かわいい女』を読演して以降毎月実施しており、今年8月の原民喜『永遠のみどり』の読演で98回目を迎えた。

ー「アトリエ戯座レパートリー劇場」のコンセプトを教えてください。

演劇を始めて、早30年を過ぎました。放送劇団(※2)の時代を含めると、50年……。思えばたくさんの役者さんや演劇人と出会ってきました。一緒に舞台を作ってきた人、遠くからその仕事ぶりを眺めただけの人、衝突してそれきり疎遠になった人……。振り返ると、どの人もどの事柄も懐かしさでいっぱいです。いい時代でした。演じる側も観劇する側も、一生懸命だったような気がします。時代を動かすような作品が、たくさんあったように思います。私もそんな演劇に触れて、そんな活動をする人々と出会って、演劇を職業にすることを思い立ったものです。

ところが、昨今の福岡の演劇状況は、どうでしょうか?まるでお手軽になったというか、行政の努力? のおかげか、当時に比べて、稽古場も上演場所も豊富にあり、その他チラシ製作費や諸々の費用も、1/5か、ものによると1/10ぐらいの費用で出来るようになったように感じます。
結果、一つの公演にかける情熱まで薄くなるというか、当然心がけるべき情熱と覚悟までが、気づかぬうちに頼りないものになってしまう。その悪循環が重なって、俳優の演技レベルがどんどん下がっていく。芝居の質が下がると、客の質も下がる。ひいては、演劇を取り巻く環境すべてが、お寒い状態になってしまう。

今何とかしなければ……。上演台本をしっかり読み込み、「なぜ今、この演目なのか?」「この作家は、今我々に何を語りかけようとしているのか?」「作品が一本出来上がるまでに、どんな作業があるのか?」「俳優とは、どういう日常を過ごすべきなのか?」「役を演じるとは、どういうことなのか?」等々……。そんなすべてのことを改めておさらいしてみたい……! それが、アトリエ戯座レパートリー劇場の発動動機です。俳優を志すあらゆるグループ、個人の中で、佐藤の演劇感や俳優感に共感、もしくは、経験してみたいという方々が、それぞれの環境の都合が調い次第、既成の作品を通して、演劇脳を刺激し、育てつつ、上演を重ねる中で、観客の演劇愛をも、喚起させる。一言でいうと、こういうことでしょうか……。
なんだか前半がボヤキに聞こえるかもしれませんが、本気でそんなことを考えています。

※2)放送劇団
1940年代から1990年まで存在した日本放送協会(NHK)のラジオ放送のための専門劇団。現在の声優の走り。

ー読演との違いや差別化などありますか?

差別ということはないと思いますが、少なくとも、佐藤が演じることで伝えることと、芝居を作るわけですから、実際問題として、役者スタッフに、佐藤の演劇感を、実践してもらう、という点が、大きく違うのかもしれません。私はそれを、より前向きな発展と考えています……。

ー読演は98回。もうすぐで100回となりますが、読演も並行されるということでしょうか?

10月まで『街道筋』の上演がありますので、9月と10月は『読演番外』として、リバイバル上演をします。ので、11月が99回目、12月が100回目としようと考えています。

ー最後に、mola!をチェックしている方へメッセージをお願いします。

演劇愛好家、応援者、そういう立場の方々に、現場の私たちの不甲斐なさに申し訳ない気持ちでいっぱいです。もっともっと勉強しないと、まずいことになるぞ。という危機感でいっぱいです。
ので、「あなたにとって、批判できる世の中の文化的動向を、選んでチェックするために、是非、情報サイトを使ってください。だって、好きなものは黙っていてもチェックできるでしょう?」

出演は、佐藤順一、青木あつこ、坪内百蓮、岡武史、北島ノブ、角直人、松尾秀昭(ゲキダン大河)、森山誠美(ゲキダン大河)、谷口俊太郎、江上幸世、森紀子(劇団テアトルハカタ)、他。

チケットは2,000円。

予約・お問い合わせは演戯集団ばぁくうnrd47497@nifty.com、092-736-1220まで。


演戯集団ばぁくう アトリエ戯座レパートリー劇場No.1『街道筋』

作:アントン・チェーホフ
演出:佐藤順一
日程:2018年8月25日(土)14:00/19:00
        26日(日)14:00/19:00
会場:アトリエ戯座(福岡市中央区六本松4-11-25-5F ばぁくう内)
料金:2,000円

【関連サイト】
演戯集団ばぁくう
演戯集団ばぁくう(Facebook)

演戯集団ばぁくう アトリエ戯座レパートリー劇場No.1『街道筋』

※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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