美術×演劇コラボの『切り裂かれたキャンバス』、6年ぶりの再演

2019.04.10

『切り裂かれたキャンバス~「マネとマネ夫人像」をめぐって』(作・演出:泊篤志)が5月3日(金・祝)~6日(月・振)、北九州市戸畑区鞘ヶ谷町の北九州市立美術館本館 エデュケーションルームAで上演される。

『切り裂かれたキャンバス~「マネとマネ夫人像」をめぐって』

画家、エドガー・ドガのサインが入った祖父の遺品である絵画を、ひとりのサラリーマンが美術館に持ち込み、真贋鑑定を学芸員に依頼する―――。

2013年~2017年、「美術×演劇」というコンセプトで北九州市立美術館と北九州芸術劇場が協働で製作したシリーズ作品の第1弾『切り裂かれたキャンバス~「マネとマネ夫人像」をめぐって』。エドガー・ドガの「マネとマネ夫人像」をモチーフとした本作が6年ぶりに再演される。このシリーズでは本作以外にも、バスキア、葛飾北斎、モネ、ヤノベケンジなど、北九州市立美術館が所蔵する作品をモチーフに5作品が製作された。作・演出を担当する泊篤志と、絵画解説を担当する学芸員の清水容子に、本作について聞いた。

―「美術×演劇」というコンセプトで立ち上がった企画とのことですが、コラボレーションを行うきっかけを教えてください。

  劇場の事務所と美術館分館の事務所がリバーウォークの同じフロアにありまして。で、せっかくご近所さんなんだから何かやれませんかねえ、みたいな話から、じゃあ所蔵している美術作品をテーマに演劇作品を……と話がトントン拍子で決まっていった感じです。やってみたら、全国的にも前例のない企画だったと。
清水 当時の担当者によると、せっかく美術館分館と劇場が同じ施設内にあるのだから、何か一緒に出来ないかという話題で盛り上がったようです。そこで、美術館所蔵のコレクションやアーティストを題材にした演劇を上演したら全国的にも新しい試みになるんじゃないかということになって。美術ファン・演劇ファンが同じ空間で一つの演劇、一つの美術作品を楽しむことってなかなかないですよね。時期的にちょうどリバーウォーク北九州の10周年に当たることもあって、コラボ企画が立ち上がりました。それが今回再演する第1作目の『切りキャン』なんです。

『切り裂かれたキャンバス~「マネとマネ夫人像」をめぐって』

―第1弾を行うにあたって苦労したことはありますか?

  まずはめちゃくちゃ勉強しましたね、ドガのことを調べ、マネのことを調べ、印象派について調べ、アートの歴史について調べ……って。で、勉強したうえで学芸員さんに質問するんです。ここんとこ本当はどうなってますか? って。でもそのことと物語を作るのはまた別次元の問題なので。第1弾の時は本当に頻繁に学芸員さんとミーティングをやってました。「マネとマネ夫人像」はドガがマネに贈ったものなんですが、マネがキャンバスの右側、顔のあたりから絵をばっさりと切り取ったと言われているんですけど、「『マネとマネ夫人像』が切られた理由をそれぞれ考えてきて」って学芸員さんたちに宿題出したり、台本作りにガッツリ関わってもらって、チームで作り上げた台本だったなぁと思います。
清水 台本ができあがるまでの、泊さんとの攻防戦でしょうか(笑)。演劇の世界は壊したくないけれど、美術館として間違った情報は発信できないので、どれくらい脚本に介入するべきか悩んだそうです。台本を学芸員みんなで読み込んで意見を出し合ったそうですよ。今回私も実感していることなのですが、「美術展」と「舞台」はこんなに違うんだ! ということを今まさに感じています。美術展は本番、つまり開館中は「静止」の状態で、主役の作品は止まっていてお客様が動いてくれます。舞台はこれが逆で、主役であるキャストさんが動いて、お客様は座っていますよね。そして毎日本番の様子が変わっていく。日に日に「よくなっていく」ということは、美術展ではほとんどないので……。目指すべき本番へ向かう準備の質が全く異なる点が、大変でもあり興味深くもあります。

―見所はズバリどのようなところでしょうか?

  お芝居を観ていると、いつの間にか絵画通になってるってことでしょうか。この演劇を観ることで今後、絵の見方がちょっと変わってくると思います。
清水 ストーリーの広がりを楽しみながら、絵画の歴史や表現の変遷を学ぶことができるところです。お芝居を見た後は、ずいぶん美術通になっているはずですよ。それから、小道具で続々と現れる絵画にも注目してほしいです。舞台上にどんどん名作があふれていくので迫力があります!

―mola!をチェックしている方に一言お願いします!

  絵画についての演劇作品を観た後に対面するドガの「マネとマネ夫人像」は格別ですよ! これはもう絶対に! 自分なんか手を合わせて拝みたくなりましたから。是非、体験してもらいたいと思います。
清水 演劇でしっかり「マネとマネ夫人像」の謎に迫った後は、実物の作品の前で解説を行います。演劇で見たことが実際にはどうなっているのか、一緒に検証していきましょう。

出演は、村上差斗志(FOURTEENPLUS14+)、内山ナオミ(飛ぶ劇場)、木村健二(飛ぶ劇場)。

チケットは500円(コレクション展観覧料含む)。北九州市立美術館、チケットぴあ(Pコード:491-482)、ローソンチケット(Lコード:83482)での取り扱い。

お問い合わせは北九州市立美術館093-882-7777まで。


『切り裂かれたキャンバス~「マネとマネ夫人像」をめぐって』

作・演出:泊篤志
日時:2019年5月3日(金・祝)13:00/15:30
        4日(土・祝)13:00/15:30
        5日(日・祝)13:00/15:30
        6日(月・振)13:00/15:30
会場:北九州市立美術館本館 エデュケーションルームA(北九州市戸畑区鞘ヶ谷町21-1)
料金:500円(コレクション展観覧料含む)

【関連サイト】
北九州芸術劇場×北九州市立美術館分館 演劇と美術作品の新しい楽しみ方を探る
北九州市立美術館『切り裂かれたキャンバス』公演詳細ページ

※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください

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