そめごころ、過去と未来に想いを馳せる『オイル』を8/15に上演

2019.07.31

演劇ユニットそめごころ(福岡)が『オイル』(作:野田秀樹、演出:石田聖也)を8月15日(木)、福岡市中央区赤坂の福岡市立中央市民センターで上演する。

演劇ユニットそめごころ『オイル』

1945年夏、アメリカの占領下におかれた戦後日本。島根の地にやってきたアメリカ占領軍と、征服される者たち。そこへ古代人の影が交錯し、物語はやがて原爆投下の瞬間へ。

福岡を拠点に活動する演劇ユニットそめごころ。座付き作家の石田聖也が紡ぎだす戯曲は、これまでにせんだい短編戯曲賞や九州戯曲賞の最終候補に残るなど高い評価を得ているが、今回は自身の戯曲ではなく野田秀樹の戯曲『オイル』を上演する。石田聖也に本作について聞いた。

―なぜ『オイル』を上演しようと思ったのですか?

『オイル』という作品は、そめごころでは2年前に一度上演しているのですが、僕自身は大学演劇部のときに一度やっているので、二度目の上演でした。2年前は、社会情勢がかなり不安定な時期で、それまで平和にのほほんと暮らしていたのに急に「戦争」というものが近づいたように感じました。戦後と呼ばれている今は、ひょっとしたら戦前かもしれない。と強く思っていました。前回の上演から2年経って、戦争が僕らから遠のいた、という感覚はありません。今回は最初、オイルという演目をやりたいというよりは、8月15日の終戦記念日を演劇とどう過ごすかということを考えていたんです。元号が平成から令和にかわり新しい時代を迎えたことで、何かの始め方、始まり方を意識するようになりました。

―戦争や終戦記念日を意識して、ということでしょうか?

今年は令和最初の終戦記念日。この日をどう過ごすかを考えたとき、そめごころで自分の演出する舞台で、お客さんとこの日を共有したいと思いました。
以前、小学校にワークショップにいった時、たまたま避難訓練の日だったんです。校内放送で「北朝鮮からミサイルが飛んできた」と伝えられ、スピーカーからはミサイルが飛んでくる音が大音量で流れ出し、みんなで固まって小さくなっている。すると男の子が一人泣き出してしまいました。「怖い……怖い」という小さな声と震える身体を見てからというもの、その風景がずっと引っかかっていて、8月15日に上演するならこの作品だなと思いオイルを発表する流れになりました。
作品は、舞台が島根で、原爆の話なのですが、戦時中は福岡にも空襲がありました。74年前は今の僕たちには想像できない風景が広がっていて、ここにも死体が積まれていたと思うんです。その人たちが生きた生活の匂いや、ここの土地に染み付いている歴史を何かしら感じられるように、と稽古場で色々と試しているところです。

―創作はどのような感じで進んでいますか?

多くの客演さんや、応募をしてくれたアンサンブルキャストの方がいて、総勢21名。これまでのそめごころの作品の中でいちばん多いです。年代もさまざまな中で、あーだこーだ言いながら創作をしています。それぞれの経験や感じ方がバラバラで本当におもしろくて、いろんな材料を舞台にのせて遊んでいます。見る人によってポイントはかわるかもしれないけれど、きっとどこかにピンとくるもの、ひっかかるものがあるんじゃないかと思います。これまで、お客さんがどんな思いで作品を観に来てくれるのか把握しようがなくてイメージできなかったのですが、今回は終戦記念日と『オイル』ということで、それを強く意識しています。

―最後にmola!をチェックしている方にメッセージをお願いします。

お客さんも僕らも8月15日に演劇を観る、演劇を発表するというゴールがあり、そこまでをどう過ごして行くか、心を整理して行くか、8月15日の過ごし方を選んで、一日一日歩みを進めて行くというのを大切に、稽古を重ねています。この記事を読んでくださっている方も、公演をみにきてくれたらもちろん嬉しいのですが、そうでなくても戦後と呼べる未来を想像するために、8月15日という日を共に過ごしてもらえたら嬉しいです。

出演は、酒瀬川真世(che carino!/che carina!)、田島宏人(演劇ユニットそめごころ)、横山祐香里(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)、立石義江、根岸美利(非・売れ線系ビーナス)、福澤康仁、ヨウ手嶋、藤田恵佳(演劇ユニットそめごころ)、池田義史(恋愛体質)、田坂哲郎(非・売れ線系ビーナス)、上野隆樹(演劇ユニットそめごころ)、君島史哉(演劇ユニットそめごころ)。

チケットは一般2,300円(当日2,500円)、学生1,300円(学生1,500円)。演劇パスCoRichチケット!での取り扱い。また、演劇パスからのクレジット決済利用で20人に1人がチケット料金が無料に、CoRichチケット!からの購入(銀行振込)で公演当日の物販200円クーポンを進呈というキャンペーンも行っている。

お問い合わせは演劇ユニットそめごころsomegokoro@gmail.comまで。


演劇ユニットそめごころ『オイル』

作:野田秀樹
演出:石田聖也
日時:2019年8月15日(木)14:00
会場:福岡市立中央市民センター(福岡市中央区赤坂2ー5-8)
料金:一般2,300円(当日2,500円)
   学生1,300円(学生1,500円)

【関連サイト】
演劇ユニットそめごころ
演劇ユニットそめごころ公演特設note
演劇ユニットそめごころ(Twitter)
演劇ユニットそめごころ(Facebook)

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※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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