劇団きららが描く70点の幸福

2020.01.27

劇団きらら(熊本)が『70点ダイアリーズ』(作・演出:池田美樹)を2月8日(土)~9日(日)、福岡市南区大橋のゆめアール大橋 大練習室で上演する。

劇団きらら『70点ダイアリーズ』

憧れの職場での過緊張で声が出なくなってしまった青年、
「副業」として運転代行のアルバイトを始める。
勤務時間は19時から午前4時。
昼間の仕事を終え、事務所に集って来る癖の強いドライバーたち。
言葉を発さぬ青年のことも普通に受け入れる彼ら。
今まで知ることのなかった場所で日々を過ごすうち、
うすぼんやりとしていた世界が少しずつクッキリとし始める。

熊本を拠点に、近年は中高年の病気や失職、遺産分配など「大人ならではの悩み」を独自の視点でユーモアを交えて描いた作品を発表している劇団きらら。本作『70点ダイアリーズ』は、出演者との雑談の中から生まれた言葉だという。作品について作・演出の池田美樹に聞いた。

―本作の内容を教えてください。

ラブホテルの清掃員、レンタル彼氏、耳かき屋さんなど、毎回ニッチな仕事をモチーフにするのですが、今回の舞台は「運転代行」。これはある日乗ったタクシーの運転手さんの雑談から始まりました。以前、代行ドライバーをやっていたというその方は「ベンツから軽トラ、タンクローリーまで運転した」「左ハンドルだろうが大型車だろうが道路の白線見てれば大丈夫」「ボルボのエンジン音にはドライバー魂が沸騰した」と。次々に出る武勇伝に、なんだかこちらまでワクワクしました。
今回の出演者はみんな「漢気」「ヤンキー魂」みたいな部分を持っているのですが、「酔客相手」「他者の車を運転」という気合必須な代行の世界と彼らの個性をかなりうまく合わせることが出来たのでは、と思っています。ウェットになりそうな部分もみんながカラッとカラアゲにしてくれてるので、全体的に小気味いい展開を楽しんで頂けると思います。

―作品タイトルの『70点ダイアリーズ』の「70点」に込められた意味を教えてください。

「夢なくちゃダメですか? とーきょーとかがいこくーとかに行かなくても、ここにいて幸せだったらいいじゃん、ですよ」今回客演のなかむらさちさんが雑談の中で言った言葉。なんかそれがどーんと響いて、そこから「70点」というワードが出て来ました。「夢」って素敵な言葉ですが、そしてそれを満点にする為に頑張るのも大事なことですが、そこにがんじがらめになってる人も結構いるなと。
特にFacebookやインスタで「夢」をアピールしてる人。ネットワークビジネスの会員を増やすのに懸命な人からの友達リクエストがほぼ毎日のように来るのですが、その人たちのタイムラインを見に行くと、ほんっとキラッキラしてる。やる気と行動力と高額の買い物披露でキラッキラ。でもほとんどの方のカキコミが半年から1年くらいで止まる。他人の選択にどうこう言う筋合いはないのですが、この人たちの「幸せ」は何だったのか。「夢と幸せは別物」というなかむらさちさんの「幸福観」がおもしろく新鮮で、今作の背骨になっています。

―出演者のみなさまのご紹介をお願いします。

初の東京からのゲスト、元・時間堂の菅野貴夫さん。幼少期から野球ひと筋、演劇人にはあまりいない「スポーツマン魂」に満ち溢れた40歳。長身・がっちり筋肉ボディの彼が演じるのは東北出身の風来坊のようなドライバー。「色っぽい」「声がたまらん」「着ボイス配信をお願いしたい」という大人女性のお客様からのご依頼も複数ありました。
地元・熊本からは不思議少年の磯田渉くん。きらら本公演3回目。彼の「コミュ症気味なのに一線越えた途端、抜群のコメディアンになる」という特性に強く惹かれ、今回中心人物に。緊張から声が出なくなる失声症のサラリーマン。ともすれば重くなりがちな設定を軽やかに演じてくれています。ラストシーンは元応援団の彼ならではの表現を見せてくれます。
きららからはオニムラルミ+池田美樹。父親から引き継いだ代行の会社を営む、かしましい姉妹を演じます。「風変わりでちょっと可哀想な中年女」を演じることが多いオニムラが、今作ではバリバリヤンキー風味、威勢のいい、豪気な女性を演じています。
そして北九州からのゲストは元・劇団ヒロシ軍(諫早)のなかむらさちさん。愛くるしい外見とは真反対、強気で人情あふれる彼女の役柄は「どんな酔客にも高級な車にも怯まない」代行ドライバー。怒鳴る・笑う・蹴る・寄り添う、熊本公演では彼女演じる「まめこ」に励まされた、というご意見をたくさんいただきました。

―最後に、mola!をチェックしている方にメッセージをお願いします。

1月の熊本公演、「新年から元気出た」「最高の応援歌」というありがたい感想をいただきました。また、「そこに居たのは出演者、俳優ではなく、まぎれもなく「人」だった」「いるわぁ、こういう人」という、演じ手にとってかなり嬉しい言葉もいただきました。「ふんばる人を、祭りのでっかいうちわで扇ぎたい」というのが今回の根っこなのですが、ご来場のみなさんを存分扇げるよう、福岡も頑張ります。2月、冷え込む季節ですが、熱い時間をお約束しますのでぜひにご来場ください。

出演は、菅野貴夫、なかむらさち、磯田渉(不思議少年)、オニムラルミ、池田美樹。

チケットは前売2,300円(当日2,800円)リピーター割引1,000円(要半券提示)。CoRich!チケット、ローソンチケット(Lコード:81925)、ぽんプラザホール2階受付での取り扱い。

予約・お問い合わせは劇団きららgkirara@jcom.zaq.ne.jp、096-346-3437まで。


劇団きらら『70点ダイアリーズ』

作・演出:池田美樹
日時:2020年2月8日(土)15:00/19:30
        9日(日)13:00/16:00
会場:ゆめアール大橋 大練習室(福岡市南区大橋1-3-25)
料金:前売2,300円(当日2,800円)
   リピーター割引1,000円(要半券提示)

【関連サイト】
劇団きらら
劇団きらら(Twitter)
キビるフェス

劇団きらら『70点ダイアリーズ』

※情報は変わる場合がございます。正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。

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