咀嚼伯爵(第1回)

2021.02.21

【4】ガラスの床

「晩ごはん、何食べた?」
「唐揚げ一個。皮とコロモ剥いで。あと、ごはんひとくち。」
「抗えないよねぇ、唐揚げ!でも皮剥いだのえらい。」
「さわしーは?」
「豆腐一丁。きょうは木綿。食べごたえある。」
「スプーンで?」
「そう。てかもう寝よう。」
「お風呂入って、運動して、」
「寝たら朝。」
「朝は食べてもいい。」
「そう、朝は食べてもいい。」
こんな会話を毎晩重ねた。かなり救われた。

「ガラスの床があるんだって。」
さわしーが言った。
「最初はぐんぐん減るの。でも何しても減らない時期が来る。見えてるのにそこに行けない。でもあたしたちは、」
「大王に負けない!」
「伯爵に屈しない!」
「ファミレスまつり目指して!」
166センチ・45キロ。152センチ・43キロ。
2人とも下げ止まっていた。しかし我らはふんばった。
やがていろんな「変化」が訪れた。

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